成岩(ならわ)砦

2015年6月1日撮影


◆別名:

水野砦

 

◆所在:

半田市有楽町2丁目

 

◆交通:

名鉄青山駅の東側を走る国道247号線を北上し、成岩橋を渡ってすぐの信号交差点を越えた左側の神社が鳳出観音となっている。鳳出観音には駐車場がないので、すぐ北側の成岩神社に駐車し、成岩神社を参拝したついでに鳳出観音も訪問させてもらうと良いと思う。

 

◆歴史:

緒川城の水野氏は織田氏と同盟をして後顧の憂いを無くし、知多制圧に向けて南へ進軍を開始。

坂部城の久松氏や常滑城の水野氏とは婚姻関係を結び、宮津城の新海氏を屈服させ、榎本氏の本拠地である成岩城に迫った。

 

榎本氏は成岩城の北を流れる神戸川を天然の堀として守りに入ったが、水野氏は川の対岸の小高い地に成岩砦を築き、ここを拠点として成岩城を攻め落とした。

成岩砦の南側は急な斜面となっており、成岩城までは約1キロ弱。間は平地で川が流れるのみなので、拠点とするには絶好の場所に位置している。

 

また、この砦の北西300m程には常楽寺と言う名前の寺があり、開山は徳川家康の従兄弟(家康の母である於大の方の妹の息子)で、本能寺の変が起こり、領地の三河へ脱出する際にも立ち寄り、鐙などを寄進したと伝わっている。

 

◆現在:

砦があった事を証明するような、そのものずばりの名前で鳳出(とりで)観音と言う神社が存在する。

すぐ北側には道路を挟んで成岩神社があり、こちらの方が敷地は広くなっている。

成岩神社に本陣がおかれ、間の道路は堀切跡、成岩砦は物見砦兼前進基地として使われていたと考られる。


とりで観音のすぐ北側にある成岩神社。

こちらの方が敷地はかなり広い。